今回ご紹介する海王星の衛生「トリトン」は、生命存在の可能性が指摘されている天体の1つです。
しかし、トリトンは太陽から45億km以上も離れているので、太陽から得られる恩恵はごくわずか。
さらに、探査機が訪れた経験も1回のみなので得られた情報も限定的です。
遠すぎる、未知すぎる
そんな極寒の衛星トリトンに秘められた生命とはなにか?
今回、衛生「トリトン」の生命の可能性ついて詳しく解説します。
海王星の衛生「トリトン」とは
主星 | 海王星 |
直径 | 約2,710km |
表面温度 | 平均−170℃ |
太陽光 | 非常に弱い直射日光 |
大気 | わずかにある |
大気圧 | − |
主な成分 | 窒素 |
その他、成分 | メタン・一酸化炭素 |
トリトンは海王星の周りを回る衛星の1つです。
直径2,710kmと海王星最大の衛星であり、太陽系の衛星の中でも7番目の大きさを誇ります。
最も外側に位置する惑星の海王星の衛星なので、探査が難しく衛星トリトンに近づいた探査機はボイジャー2号のみです。
一度しか探査されていない衛星トリトンですが、他の衛星には見られない特徴がいくつか存在します。
衛星トリトンのチェックポイント
- 逆行衛星の中では最も巨大
- 氷の火山が存在する
- 生命の存在の可能性がある
そして、本記事は生命の存在の可能性について解説していきます。
トリトンの生命の可能性とは?
衛星トリトンに生命存在の可能性が指摘される理由は3つあります。
「水」が存在する
衛星トリトンには「水」が存在します。
水は生命にとって必要不可欠な存在なので、もしトリトンのどこかに海が形成されていれば生命がいてもおかしくはないのです。
あの、トリトンの表面温度って−235度ですよね?そんな寒いと海なんてできないはずでは?
確かに−235度の環境だと水は固体でしか存在できませんが、トリトンには熱源が存在します。
「熱源」が存在する
衛星トリトンは、地質活動をしている数少ない太陽系の天体です。
地質活動とは?
地球の中心にドロドロのマグマが存在するのは、地質活動によるもの。
衛星トリトンも地質活動が起きていて、衛星の内部が超高温になっているのです。
例え太陽から距離があっても、熱源があれば氷が溶けて液体の水になります。
そして、液体の水が存在するということは、海が存在する可能性もあるのです。
なるほど!「水&熱源」によって、トリトンには海があるかもしれないのね?
その通り!もしトリトンに海があるとしたら地下に存在すると考えられています。
「大気」が存在する
衛星トリトンには希薄ですが、窒素の大気が存在します。
生命にとって「大気」は必要不可欠なので、窒素の大気は生命存在の可能性に繋がる希望の1つと言えます。
ちなみに、トリトンの大気圧は、地球の大気圧のわずか70,000万分の1程度です。
トリトンが消滅する前に
衛星トリトンは、約13億年後に消滅すると言われています。
なぜですか?
逆行軌道のブレーキ
トリトンは海王星の自転とは逆方向に公転しているため、潮汐力の作用でブレーキがかかり、海王星にどんどん接近していくと言われます。
そして、限界まで近づいた所で粉々に砕け散って、破片は海王星に落下する、または海王星の環(輪)になると考えられています。
衛星トリトンが消滅する前に、ぜひ生命が発見されてほしいと思っています。
13億年ってめちゃくちゃ未来の話ですけどね。
まとめ
衛星トリトンは太陽から距離が離れすぎているため、生命存在の可能性かなり低いと言われています。
しかし、絶対に生命がいないと断言できる根拠も今のところありません。
トリトンは色々と未知すぎる天体ですが、今後の探査でぜひ生命が発見されてほしいと思っています。
今後の探査に期待ですね!
コメント