皆さんは、天王星では昼と夜の長さが42年もある事をご存知でしょうか?
地球で例えると、朝〜次の日の朝を迎えるだけで84年の年月が経ってしまう事になります。
(語弊のある例えですが)
ちょっとなに言ってるか分からない?
では今回、天王星の昼と夜が42年続く理由について、詳しく解説します。
そもそも「自転周期」と「公転周期」とは
自転周期は「惑星が1回転する」まで
自転周期とは「天体自体が1回転」するまでの時間を指します。
地球だと「自転周期=1日」であり、地球の1日は24時間であることは皆さんもご存知のはず。
対する天王星の自転周期は、地球時間で約17時間です。
公転周期は「太陽を1周する」まで
公転周期とは「天体が主星を1周」するまでの時間を指します。
地球だと「公転周期=1年」であり、地球の1年は365日であることは皆さんもご存知のはず。
対する天王星の公転周期は、地球時間で約84年と非常に長い事が分かります。
公転周期 | 主星 | |
天王星 | 約84年 | 太陽 |
地球 | 365日 | 太陽 |
月 | 約27日 | 地球 |
太陽から遠い惑星ほど、公転周期が長くなる特徴があります
天王星は海王星の次に、太陽から遠くにある惑星ですよね?
天王星は「自転周期=1日」ではない
地球の公転周期&自転周期
- 自転周期=24時間
- 公転周期=365日
↑地球では、1日が365回繰り返すと1年経ちます。
天王星の公転周期&自転周期
- 自転周期=地球時間で約17時間
- 公転周期=地球時間で約84年
↑自転周期が17時間だから、17時間経てばで1日を迎えるはずでは?
そう思いますが、天王星は「ある理由」で、自転周期=1日にならないのです。
天王星は横倒しで自転している
天王星は自転軸が98度も傾いていて、これが原因で昼と夜が長くなっているのです。
うーん、自転軸が傾いている事で昼と夜が長くなる理由が分かりません。
天王星の「1日が84年」になる理由とは?
では、自転軸が98度傾いた状態で、太陽を公転するとどうなるか?見てきましょう。
本題、自転軸が98度傾いた状態だと?
A地点は「北極」とします。
時間は「朝6時」です。
太陽を「4分の1周」すると
4分の1周するだけでも約21年もかかります。
A地点は「昼間の12時」
太陽を「4分の2周」すると
4分の2周になるまで42年。
A地点は太陽が沈む「夜の18時」
ここで、A地点はようやく夜を迎えるのです。
なるほど、極地点だけ日が沈むのにとんでもない年月がかかりますね。
太陽を「4分の3〜4周」すると
A地点は、夜と迎えた後も長くなります。
太陽が顔を出す朝の6時を迎えるには、さらに42年待たないといけないのです。
ここまでが、天王星の昼と夜が42年続く理由でした。
昼と夜が42年もあると、朝を迎える前に寿命が尽きてしまうかもしれませんね💦
それ以前に、天王星は人間が暮らせる環境ではありませんが
天王星が横倒しで自転している理由とは?
そもそも、なぜ天王星は横倒しで自転しているのですか?
天王星の自転軸が大きく傾いている理由は、2つの説があります。
ジャイアントインパクト説
ジャイアントインパクト説とは、天王星に大きな天体が衝突した結果、自転軸が傾いてしまう説です。
シミュレーションによると、天王星の自転軸が98度まで傾くには、地球サイズの天体が2回以上は衝突する必要があるとの事です。
衛星の引力で傾いた説
かつて、天王星には巨大衛星が存在し、衛星の引力の影響を受けて、自転軸が徐々に傾いてしまった説です。
現在、天王星最大の衛星は「チタニア」ですが、自転軸に影響を与えるにはもっと巨大な衛星である必要があります。
そのため、衛星の影響で自転軸が傾いてしまったのならば、現在その衛星は存在しない事になります。
天王星には薄い環(輪)がありますが、その輪はかつて存在した巨大衛星の残骸かもしれません。
まとめ
時間の経ち方って、惑星によって違いがあって面白いです。
天王星の時間の経ち方は、太陽系の惑星の中でもかなり特殊と言えるでしょう。
天王星以外にも、時間の経ち方が特殊な惑星があるので、気になる方は以下の記事も読んでほしいです。
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