今回ご紹介するのは、準惑星の「エリス」です。
あまり知られていませんが、エリスは天文学の常識を大きく変えた天体なのです。
では、準惑星エリスが変えた常識とは何か?
今回は、準惑星「エリス」特徴&詳細を徹底解説します。
準惑星「エリス」とは?特徴を解説
エリスは太陽の周りを回る「準惑星」の1つです。
冥王星より太陽から離れているので、平均温度は-217 〜-243 ℃と極寒の世界です。
大きさや質量(冥王星と比較)
天体 | 直径 |
エリス | 2,326 km |
冥王星 | 2,370 km |
地球 | 12,742 km |
月 | 3,474km |
天体 | 質量 |
エリス | 1.7×1022kg |
冥王星 | 1.3 × 1022 kg |
地球 | 5.9742 × 1024 kg |
月 | 7.36 × 1022 kg |
大気や成分
表面はメタンの氷で覆われていて、エリスの構造は冥王星に似ていると考えられています。
大気はほぼ皆無ですが、太陽接近時、表面のメタンが昇華して希薄なメタンの大気を形成します。
公転軌道
エリスの公転軌道は大きく歪んだ楕円形であり、太陽に最も近づく近日点で57.6億km、太陽から最も離れる遠日点で145.8億 kmにもなります。
さらに、8つの惑星は太陽からほぼ水平に並んでいるのに対して、エリスは軌道が44℃も傾いています。
エリスの衛星
エリスには「ディスノミア」と言う衛星が存在します。
ディスノミアの直径は、600〜800kmほどです。
エリスは幻の「10番目の惑星」だった?
エリスは発見当初、太陽系「10番目の惑星」と言われていました。
しかし、エリスと似た大きさ&質量のある天体が今後も発見される可能性があるため、いったん惑星に分類しない事になりました。
エリスや冥王星など、直径&質量の小さい「微妙な天体」に対して、新たな枠組みを作るべきとの意見が強まりました。
そして、2006年に準惑星と言う新たな枠組みが作られ、エリスは「準惑星」に分類されたのです。
さらに、これまでエリスに大きさ&質量が酷似していた「冥王星」も、惑星の枠組みから外れ準惑星に分類される事になったのです。
エリスの発見で「準惑星」が誕生した
準惑星の枠組みは、エリスの発見によって誕生したと言って良いでしょう。
なるほど、エリスは宇宙の歴史を変えた存在なんですね。
まとめ
準惑星「エリス」は、探査機が訪れた事のない天体であるため、分からない事が沢山あります。
2032年〜2044年頃、太陽系外縁天体を探査する計画があるので、ぜひ探査に期待しましょう。
ちょっと先だけど、探査結果楽しみにしてます!
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