「質量」と「重量(重さ)」の違いは何か?
- 「質量」はどこで計測しても変化がない絶対的な単位。
- 「重さ(重量)」は計測する場所によって変化する相対的な単位。
うーん、ちょっとよく分からない💦
と思った方は、この先も読んでほしいです。
今回は「質量」と「重量(重さ)」の違いを簡単&詳しく解説させて頂きます。
この記事の「kg」の表記について
後ほど解説しますが、重量(重さ)をkgを表記するのは間違っています。
しかし、誰でも分かる解説をするために、本記事では重さもkgで表記しています。
「質量」と「重さ」の違いとは?
- 質量は物体自体の「量」の単位
- 重力は物体に加わる「力」の単位
↑質量の「量」とは物体そのものであり、重力の「力」とは天体の重力が関係しています。
「質量」の定義&表し方
質量とは物質の動かしにくさの度合いを表す単位で、例えるなら「質量=素の重さ」だと思って下さい。
質量は絶対的なので、地球より重力の強い太陽でも、地球より重力の弱い火星でも、無重力の宇宙空間でも、質量は変化しません。
質量100kgと計測された物体は、どこで量っても質量100kgなのです。
「重さ」の定義&表し方
重量(重さ)とは、天体の重力に引っ張られている力の度合いを表す単位です。
天体の重力は一定ではなく、太陽は地球より重力が強く、火星は地球より重力が弱めです。
そのため、重量(重さ)は天体の重力よって異なる相対的な単位なのです。
重さは天体の重力ありきの値なので、宇宙空間では計測できません。
無重力だと、どんな重い物でも0kgになっちゃいますよね。
重さはN (ニュートン)で表記する
重さの正しい単位は「N (ニュートン)」であり、kgで表記するのは間違っています。
例として、体重を計測して50kgと出たら、正しい表記は50Nになる訳です。
しかし、Nの表記方法は浸透していないので、日常で使用する事はほとんどありません。
質量と重さは何倍違う?
質量と重量(重さ)は約9.8倍異なります。
地球上で計測した質量100kgの物体を重さに変換すると980N (kg)になる訳です。
質量の値を見た時は、そこから9.8倍すれば馴染み深い「重さ」になるって事ですね?
ここでは、その様に覚えて頂いて大丈夫です。
質量があれば物体は動かせない
突然ですが問題です。
地球上で重さを測ると10,000N (ニュートン)の岩があるとします。
10,000N=約980kg (約1トン)
地球上では10,000N (約980kg )の岩は重すぎて、人間の力で持ち上げる事はできません。
では、無重力の宇宙空間では、この岩を持ち上げる事はできるでしょうか?
↑えーと、無重力なら持ち上げる事できそうですが?記事の流れ的に「無理」って思います?
その通り。宇宙空間では重さこそ0になりますが、質量は0にならないので岩を動かす事はできません。
先ほど「質量とは物質自体の動きにくさの度合いを表す単位」と解説しました。
質量は宇宙空間でも変わらない絶対的な量(重さ)なので、質量が大きな岩を動かす事はできないのです。
もちろん、質量が小さければ動かす事は可能ですが
HP上の「質量(重さ)」の表記について
今まで、質量のことを「質量(重さ)」と表記した記事がありますが、これは一部の人に大きな誤解を招く記述だと思っています。
例として「質量(重さ)」と表記する事は、東京都(大阪府)と表記するぐらい意味不明なのかも知れません。
では、なぜ「質量(重さ)」と誤解を招く表記している記事があるのか?
結論、小学生は「質量」を勉強しないので、小学生の読者がでも分かりやすい様に「質量(重さ)」と表記しているのです。
確かに、小学生の勉強で「質量」は習いませんね?「重量(重さ)」は習いますけど。
大体が分かればOK!
本HPは、めちゃくちゃ難しい原理&理論をしっかり理解してほしいと思っていません。
大まかに「そんな感じなんだ?」程度に分かってくれれば良いと思っています。
何より、宇宙に関する情報は難しい内容ばかりなので、難しい情報をそのまま発信しても、ほとんどの人が理解できません。
だからこそ、いかに読者に分かりやすいか?を意識しながら記事を書いた結果
「質量(重さ)」の表記をすべき、と判断したのです。
本HPを小学生が読んでも「質量(重さ)」と記述してあれば、質量の事が何となく理解できるはずです。
確かに、質量(重さ)と表記してあれば「質量=重さと似ている単位なんだな?」って思えます。
まとめ
天体の特徴を調べると、必ずと言って良いほど「質量」の表記を目にします。
もし「質量〇〇kg」と言う表記を見つけたら、それは重さに近い表し方で、数値が大きければ大きいほど重い物体だと思って下さい。
太陽系の8惑星の「質量」を書いた記事もあるので、良かったらご覧下さい。
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