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ちょっと大きい「グリーゼ832c」に人類は住める?スーパーアースに生命はいるのか?

今回ご紹介するグリーゼ832cは、生命が存在が期待される系外惑星です。

また、地球から比較的近いので人類の移住先候補とも言われます。

しかし、グリーゼ832cは地球よりも大きい&重い惑星なので、移住できても色々とハードルがあるかもしれません。

では、グリーゼ832cはどんな惑星なのか?

人類が住めるのか?

パラバース博士

今回は、地球に似ているようで似ていない?グリーゼ832cをご紹介します。

グリーゼ832cの地表の想像図
目次

系外惑星「グリーゼ832c」とは

グリーゼ832cの想像図
出典:ウィキペディア
グリーゼ832c地球
直径地球の約1.7倍約12,742 km
質量地球の約5.4倍約59垓7,000京トン
重力地球の約1.7倍9.80 m/s²
自転周期不明24時間
公転周期約36日365日
主星までの距離約2438万 km約1億4,960万 km

グリーゼ832cは地球からつる座の方向、約16.1光年離れた位置に存在する太陽系外惑星です。

2014年に主星との僅かな揺れ動きによって観測される「ドップラー偏移法」によって発見されました。

赤色矮星のグリーゼ832の周りを公転していて、硬い地表を持つ岩石惑星と考えられています。

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直径&質量

グリーゼ832cの直径は21,660kmと、地球二回りほど大きな惑星です。

質量(重さ)は地球の約5.4倍と、直径に比べて高めです。

パラバース博士

地球より直径&質量が大きい事から、グリーゼ832cはスーパーアースと言われる事もあります。

スーパーアースとは?

地球の数倍以上の直径&質量がある岩石惑星の事を、スーパーアースと呼んでいます。

大きさのイメージは、地球と海王星の中間ぐらいだと思って下さい。

直径&質量が大きいと重力も強くなるので、地球サイズの惑星より大気の量が多いかもしれません。

ハビタブルゾーンの中にある

パラバース博士

グリーゼ832cは地球と同じハビタブルゾーンの中にあると思われます。

ハビタブルゾーンとは、主星(恒星)から近すぎない&遠すぎないょうど良い領域を指します。

水が液体で存在すれば、地表に海や湖を形成しているかもしれません。

また、地球と気温が近ければ、人類の移住先になる可能性も秘めています。

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表面温度&地表の様子

グリーゼ832c地表の想像図
主星が高く昇る時間帯でも薄暗い
パラバース博士

グリーゼ832cの予想される表面温度は約-20.15℃です。

少し寒いんですね?水があっても凍りついてしまうのでは?

パラバース博士

確かにそう思いますが、大気や水蒸気が沢山あれば暖かい環境になっているかもしれません。

惑星に豊富な大気や水蒸気があれば、恒星からの熱エネルギーの放出を防いでくれる効果があります。

グリーゼ832cに大気が潤沢にあれば温室効果が働き、温暖な環境になっている可能性があるのです。

昼でも薄暗い?

グリーゼ832cは地球の昼間の様に明るくならず、日が高く昇る昼間でも薄暗い環境になっているかもしれません。

これは、地球で例えると日が沈む直前の黄昏時ぐらいの明るさです。

なぜ、日が高く昇る昼間でも薄暗いんですか?

パラバース博士

それは、主星のグリーゼ832が太陽より小さくて暗い恒星だからです。

主星「グリーゼ832」の特徴

グリーゼ832太陽
恒星の区分赤色矮性G型主系列星
表面温度約3.260℃約5,800℃
直径約61万5,000 km約139万2,000 km
質量太陽の約0.441倍1
光度太陽の約0.027倍1
可視光線の量1

グリーゼ832って太陽と比べると、かなり小さな恒星なんですね?

パラバース博士

グリーゼ832は赤色矮星と呼ばれる小型の恒星なのです。

赤色矮星(せきしょくわいせい)とは

恒星の中でも特に直径が小さく、低温の恒星の事を赤色矮星と呼びます。

銀河系に存在する恒星の約75%は赤色矮性と考えられているので、グリーゼ832はごく一般的な恒星と言えるのです。

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グリーゼ832cに生命はいるのか?

グリーゼ832cに生命はいるのでしょうか?

パラバース博士

現状、グリーゼ832cに生命はいるかどうかは分かっていません。

パラバース博士

ただ、ある理由で生命には厳しい環境になっている可能性があるのです。

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大気が多すぎて灼熱になる?

グリーゼ832cの重力は地球より約1.7倍強いので、大気を沢山溜め込んでいる可能性があります。

しかし、大気が過剰にあると温室効果が働きすぎて高温になってしまうかもしれないのです。

パラバース博士

例として、金星は温室効果の高い二酸化炭素の濃度が高く、表面温度460℃の灼熱の惑星になっています。

グリーゼ832cも金星みたいな環境になってたら残念ですね。

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潮汐ロックされている?

温度は例です。
パラバース博士

グリーゼ832cは主星(恒星)から距離が近いので、主星から潮汐ロックされている可能性があるのです。

潮汐ロックとは?

主星からの重力の影響を強く受けて、常に主星に同じ面を向けている状態を潮汐ロックと呼びます。

潮汐ロックされている天体は「片面は永遠の昼」「もう片面は永遠の夜」になってしまうのです。

パラバース博士

潮汐ロックによって、常に日光が当たる地域は灼熱、常に火が当たらない地域は極寒の環境になってしまいます。

ちょうど良い地域が無いんですね…

ただ、グリーゼ832cが主星から潮汐ロックされているのかは不明です。

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恒星風の脅威がある?

恒星風の衝撃波で大気が剥ぎ取られる惑星の想像図
パラバース博士

グリーゼ832cは主星から近いので「恒星風」の脅威があるかもしれません。

恒星風(こうせいふう)とは?

恒星から噴き出すガスの流れを「恒星風」と呼びます。

(太陽だと太陽風と呼ばれる)

恒星風の威力は猛烈で、近隣の惑星&衛星にも影響を及ぼします。

恒星風がグリーゼ832cに直撃していると、大気が剥ぎ取られたり、地表が放射線で汚染されている可能性があるのです。

そうなると、グリーゼ832cは生命が住むには過酷な環境になってしまいます。

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グリーゼ832cに人類は移住できる?

パラバース博士

もし、グリーゼ832cに人類が居住すると、やや強い重力がハードルになるかもしれません。

なぜでしょうか?

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重力が強いと疲れやすくなる

先述の様に、グリーゼ832cは地球の約1.7倍重力の強い惑星です。

約1.7倍重力の強いと言うことは、物や自分の体重も約1.7倍重くなってしまいます。

そうなると、地球で生活するより体力の消耗が早くなり、疲れやすくなってしまうのです。

グリーゼ832cで暮らすと、日常生活が筋トレみたいになっちゃいそうですね。

長く働けないと生産性が下がる

時間は例です。

グリーゼ832cで生活すると、強い重力の影響で短時間しか働けない可能性があります。

そうなると、地球で生活するより生産性が下がってしまう事になります。

パラバース博士

生産性が下がると、稼げるお金も少なくなるので、グリーゼ832cでは地球と同じ生活ができないかもしれません。

↑これは別の意味で「脅威」ですね💦

でも、グリーゼ832c暮らしていると、強い重力に身体が適応していくのではないでしょうか?

パラバース博士

確かにそうかもしれませんが、そもそも人間は地球の重力ありきで生きています。

強い重力に適応できるか?

人間はある程度の適応能力があるので、グリーゼ832cで生活し続けると、筋肉量が増えて強い重力にも耐えられる身体になるかもしれません。

しかし、それ以前に強い重力に耐えられず、健康を害してしまう可能性もあります。

パラバース博士

果たして、人間が強い重力化でも問題なく生活できるのか?詳しく分かっていません。

確かに、重力の強い環境で生活するシミュレーションなんてできませんよね。

地球からグリーゼ832cまでの距離

パラバース博士

グリーゼ832cは宇宙規模で見ると地球から比較的近くにある系外惑星ですが、人間レベルで見ると約16.1光年はとてつもなく遠くにあります。

約16.1光年ってどれぐらいの距離なんですか?

1光年は約9兆4600億kmなので

9兆4600億×16.1=152兆3,000億

つまり、地球からグリーゼ832cは約152兆3,000億kmも離れているのです。

ここまで離れていると、光の速さに匹敵する宇宙船や、ワープ等を駆使した移動方法がないと人類は移住できません。

もちろん、光の速さに匹敵する宇宙船はありませんし、ワープ等の技術もありません。

果たして、グリーゼ832cに移住できる日は来るのでしょうか💦

パラバース博士

いつかグリーゼ832cに移住できる日来るのか?その前に人類は滅びるのか?それは未来だけが知る事実と言えます。

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まとめ

本記事では、移住先候補となる系外惑星をいくつか紹介してきましたが、グリーゼ832cは地球とは異なる点がいくつかあります。

そのため、人類が移住する場合は、何らかの対策をしないと快適に暮らせないかもしれません。

また、生命がいても地球上の生命とは大きく異なる姿をしている可能性もあります。

パラバース博士

グリーゼ832cは、まだまだ謎の多い惑星なので、今後の調査で新たな発見を期待しましょう。

移住できるか別として、地球外生命が発見されてほしいです!

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