2023年に系外惑星「ウォルフ1069b」が発見されました。
ウォルフ1069bは液体の水や大気があり、地球によく似た環境が広がっているかもしれないのです。
見つかった系外惑星の中では、地球からも近く「人類の移住先候補」にも上がるほど。
では、ウォルフ1069bとはどんな惑星なのか?
生命は存在するのか?
今回は、系外惑星「ウォルフ1069b」の特徴を詳しく解説します。
ウォルフ1069bとは?
ウォルフ1069b | 地球 | |
直径 | 13,800km(推定) 地球の約1.08倍(推定) | 約12,742 km |
質量 | 75垓トン(推定) 地球の約1.26倍(推定) | 約59垓7.000京トン |
自転周期 | 不明 | 24時間 |
公転周期 | 約15.6日(地球時間) | 365日 |
主星までの距離 | 約1,000万km(推定) | 約1億4,960万 km |
ウォルフ1069bははくちょう座の方向、約31.2光年離れた位置に存在する系外惑星です。
主星のウォルフ1069の周りを公転していて、硬い地表を持つ岩石惑星と思われます。
ハビタブルゾーン圏内
ウォルフ1069bは主星(恒星)から近すぎない&遠すぎない、ハビタブルゾーン圏内を公転していると思われます。
そのため、液体の水が存在するかもしれません。
ハビタブルゾーンにある惑星は地球に似た生命が存在する可能性があるのです。
表面の様子
ウォルフ1069b | 地球 | |
表面温度 | 約13℃(推定) | 約15℃ |
明るさ | 昼間でも薄暗い | 昼は明るい |
ウォルフ1069bに大気が存在しない場合の表面温度は平均−23℃と寒冷な環境になりますが、地球同等の大気が存在すれば表面温度は平均13℃になると考えられています。
大気と水蒸気が潤沢に存在すれば地球と同じ温度になっている可能性があるのです。
なるほど、大気や水があるかは分からないんですか?
残念ならが、大気や水があるかどうかは不明です。
昼間でも暗い?
ウォルフ1069bは主星から受ける光(可視光線)の量がとても少ないです。
そのため、主星(太陽)が高く上る昼間でも薄暗い環境になっていると思われます。
主星「ウォルフ1069」の特徴
太陽 | ウォルフ1069 | |
直径 | 約1,392,700 km | 約252,000 km |
質量 | 1.98892 × 1030 | 太陽の約0.167倍 |
表面温度 | 3,000℃ | 5,800℃ |
光度 | 1 | 太陽の約0.003倍 |
ウォルフ1069bの主星ウォルフ1069は赤色矮星と言う小型の恒星なので、放射する熱エネルギーが小さいのです。
確かに、太陽と比べると小さいですね。
赤色矮星(せきしょくわいせい)とは
恒星の区分の中で最小の直径&質量で、表面温度も低い恒星の事を赤色矮星と呼びます。
銀河系に存在する恒星の約75%は赤色矮性と考えられているので、ウォルフ1069bはごく一般的な恒星と言えるのです。
ウォルフ1069bは生命に厳しい環境?
ウォルフ1069bは主星に近すぎるがゆえに、生命が存在しない可能性もあるのです。
どう言う事ですか?
潮汐ロックで灼熱&極寒の惑星?
ウォルフ1069bは主星から近い位置を公転しているため、公転と自転が同期する「潮汐ロック」されている可能性が高いのです。
潮汐ロックされると、主星に対して惑星は常に同じ面を向けている事になります。
そうなると、主星に向けている面は永遠の昼間、主星と反対側の面は永遠の夜になるのです。
永遠に日光を浴びている地域と、永遠に日光を浴びてない地域の温度はどうなると思いますか?
昼間の地域は灼熱、夜の地域は極寒になりますよね?
結果、ウォルフ1069bは生命が生きていけない過酷な惑星になっている可能性があるのです。
恒星風の脅威がある
ウォルフ1069bは恒星から近いため、恒星風の影響を受けやすい考えられます。
恒星風は恒星を公転する惑星の地表を汚染してしまうため、生命誕生に大きな弊害になってしまうのです。
恒星風で受ける被害とは?
- 大気が剥ぎ取られる
- 水が宇宙空間に放出する
- 地表が放射線で汚染される
など
恒星風って怖いんですね…
赤色矮星と恒星風のリスク
恒星風は赤色矮星ほど発生しやすい特徴があり、主星のウォルフ1069も赤色矮星に分類されます。
しかし、ウォルフ1069の表面活動は穏やかで、ウォルフ1069bに対する恒星風の脅威は少ないと考えられています。
現状、ウォルフ1069bが恒星風の影響を受けているのかどうか?詳しく分かっていません。
ウォルフ1069bに人類は移住できる?
冒頭で、ウォルフ1069bは「地球から近い&移住先候補」って言ってましたけど、本当に移住できるんですか?
地球から約31.2光年も離れているので、今の技術では不可能です。
31.2光年ってどれぐらい?
1光年は約9兆4600億kmなので、
9兆4600億×31.2=2,951兆
つまり、地球からウォルフ1069bまで約2,951兆kmも離れているのです。
2,951兆km…もやは意味の分からない距離ですね。
光のスピードでも31.2光年もかかるので、光速並みのスピードがでるロケットや、ワープ等の技術がない限り移住はできないでしょう。
まとめ
ウォルフ1069bは発見されたばかりの惑星なので、不明点が沢山あります。
今後の調査&探査で詳細が明らかになる可能性もあるので、期待しましょう。
ウォルフ1069bの新しい情報も楽しみにしてます!
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] あわせて読みたい 地球に近い「ウォルフ1069b」に水や大気はある?31光年先にあるハビタブルゾーン圏内の系外惑星 2023年に系外惑星「ウォルフ1069b」が発見されました。 ウォルフ106 […]