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宇宙で迷子?“自由浮遊惑星”の特徴を分かりやすく解説!生命はいるのか?

自由浮遊惑星とは

「惑星」と言えば太陽(恒星)の周りを回っているイメージがあると思います。

しかし、広い宇宙では太陽(恒星)の周りを回っていない、迷子の様に宇宙を放浪している惑星もあるのです。

その名も「自由浮遊惑星」

聞いた事ない人もいるはずですが、自由浮遊惑星は銀河系にある恒星の数より多いと考えられています。

沢山あるのにほとんど知られていない自由浮遊惑星

なぜ、仲間からはぐれてしまったのか?

生命はいるのか?

パラバース博士

今回は、自由浮遊惑星の特徴を詳しく解説します。

目次

そもそも「惑星」とは?

主星に引っ張られている

一般的に知られている惑星は、恒星(太陽)の周りを公転しています。

惑星が主星の周りを公転する理由は、主星の引力の影響を受けている(束縛)からです。

私たちが住んでいる地球も、太陽に引っ張られているので、太陽の周りを公転している訳です。

パラバース博士

太陽系にある8つの惑星は、全て太陽の引力の影響を受けているのです。

太陽に引っ張られている以上、太陽系から飛び出す事はないんですね?

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自由浮遊惑星とは?

パラバース博士

自由浮遊惑星とは、恒星、その他天体を公転せず、宇宙空間を漂っている惑星の事を指します。

名前の通り、宇宙空間を「自由」に放浪している感じですかね?

パラバース博士

そんな感じに思ってくれて大丈夫です。

パラバース博士

ただ、本当の意味で自由ではなく銀河系の重力には引っ張られています。

銀河系の周りは回っている

太陽系は銀河を公転している

太陽系を構成する太陽も、銀河系を公転しているので全ての中心に位置する訳ではありません。

自由浮遊惑星も主星こそ存在しませんが、銀河系の周りを公転しているので完全な放浪とは言えないのです。

銀河系の周りを公転しているって事は、銀河系の中心には何かあるんですか?

パラバース博士

銀河系の中心には超大質量ブラックホールがあると考えられています。

ブラックホールの周りを公転している

銀河系の中心には巨大なブラックホールが存在し、太陽系を含めた他の惑星系も中心のブラックホールの周りを公転し続けているのです。

もちろん自由浮遊惑星も、太陽系と同じく銀河系の中心にあるとされるブラックホールの周りを公転しています。

パラバース博士

以上のことから、自由浮遊惑星の主星はブラックホールとも言えます。

そう考えると、太陽の主星もブラックホールになりますよね。

自由浮遊惑星は沢山存在する

太陽系のある銀河系だけでも、自由浮遊惑星の数は数千億〜1兆個は存在すると考えられています。

銀河系の恒星の数が2000〜4000億個なので、自由浮遊惑星は恒星よりはるかに多く存在する可能性があるのです。

数千億〜1兆個もあるなら、自由浮遊惑星はありふれた天体と言っても良いですね。

パラバース博士

ただ、質量や大きさは恒星に大きく劣るので、銀河系の主役はやはり恒星でしょう。

自由浮遊惑星がはぐれた5つの理由

自由浮遊惑星は、なぜ主星が存在せず単独で行動しているんですか?

パラバース博士

主に5つの説があります。

他の天体に引っ張られてた

恒星の周りを公転する惑星は、主星(恒星)の引力の影響を受けている状態です。

もし、惑星の近くに、主星の引力を超える大引力の天体が近くに迫ってきたら、大引力の天体に引っ張られる事になります。

そのまま引っ張られ続ければ、大引力の天体の惑星系に組み込まれ「惑星系のお引越し」になるのですが

引っ張られるだけだと、主星の引力から解除されるだけで終わってしまいます。

結果、どこの惑星系にも属していない「自由浮遊惑星」になる訳です。

主星の爆発で弾き出される

大きな恒星は、寿命を迎えると大爆発(超新星爆発)を起こします。

大爆発はすまじい衝撃を周囲に発生させ、公転している惑星にも大きな影響を及ぼします。

主星に近くを公転していた惑星が爆発の衝撃をモロに受けると、惑星系から弾き出されてしまう事があるのです。

結果、惑星系を弾きだされた惑星は「自由浮遊惑星」になる訳です。

主星が寿命を迎えて引力が弱まる

小さな恒星は、寿命を迎えると爆発せずに白色矮星(はくしょくわいせい)になる場合が多いです。

白色矮星になると、引力&大きさ&質量が小さくなります。

引力の強かった恒星が引力の弱い白色惑星になると、引力が解除されて惑星系から飛び出してしまう事があります。

結果、惑星系から解除された惑星は「自由浮遊惑星」になる訳です。

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恒星〜惑星になった

恒星が寿命を迎えた際、白色矮星にもならずエネルギーを生み出さないだけの惑星になる場合があります。

恒星〜惑星に変化すると主星を持たない惑星になるので、自由浮遊惑星になる訳です。

元から主星が存在しなかった

太陽系を含め、惑星系は宇宙空間にあるガスやチリが集まって形成されます。

惑星系が形成される際、規模の大きな恒星が主星となり、その周りに惑星が公転する形になります。

ガスやチリから主星になれるほど大きな恒星が生まれなかったら惑星系ができません。

そうなると、規模の小さな惑星は散り散りになって宇宙空間をさまよいます。

結果、散り散りになった惑星が「自由浮遊惑星」になる訳です。

なるほど、色々な説があるんですね。

パラバース博士

形成される説が多いからこそ、自由浮遊惑星は数多く存在するのです。

自由浮遊惑星に生命はいる?

パラバース博士

自由浮遊惑星に生命が育むのは難しいと思われます。

なぜでしょうか?

パラバース博士

恒星が近くにないので、熱エネルギーの恩恵を受けられないからです。

恒星からの熱エネルギーが皆無

生命は恒星からの熱エネルギーに頼っていると考えられています。

自由浮遊惑星は恒星の周りを公転していないため、恒星からの熱エネルギーの恩恵がありません。

熱エネルギーが無いと極寒の惑星になってしまうため、生命が誕生する可能性も低くなるのです。

やっぱり、日光がないと生命の誕生は厳しいですよね。

パラバース博士

しかし、衛星が存在すると生命が生まれる可能性があります。

惑星&衛星の「潮汐加熱」が希望?

惑星の周りを公転する衛星は、綺麗な円を描いて公転している訳ではありません。

太陽系の惑星だけ見ても、惑星を回る衛星は楕円形の軌道を描いて公転している場合がほとんどです。

惑星に近づく&離れる

楕円形で公転していると、位置によって惑星に近づいたり、離れたりする訳です。

惑星に近づいたり、離れたりを繰り返すと、惑星から受ける引力も位置によって異なります。

  • 惑星に近づいた時は「引力の影響を強くなる」
  • 惑星から離れた時は「引力の影響が弱くなる」
パラバース博士

この、引力の強弱を繰り返すと「潮汐加熱」が発生し、衛星&惑星に熱をもたらすのです。

潮汐加熱で水が溶けて海になる?

惑星&衛星に水(氷)があった場合、潮汐加熱によって水が溶けて海を形成します。

そして、海に有機物が溶けていれば、生命が誕生する可能性があるのです。

土星の衛星「エンケラドゥス」と、木星の衛星「エウロパ」では、潮汐加熱で海が形成されていると考えられています。

パラバース博士

「潮汐加熱」は自由浮遊惑星の生命誕生の鍵となるでしょう。

自由浮遊惑星は数千億〜兆個もあるから、生命がいる自由浮遊惑星があってもおかしくないですよね?

パラバース博士

私もそう思っています!

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自由浮遊惑星を見つける方法

自由浮遊惑星って、恒星と違って光らないから見つけるのが難しくないですか?

パラバース博士

非常に難しいです。初めて発見された自由浮遊惑星は2004年と、つい最近の話ですから。

最新の観測方法でも見つからない

はるか遠くにある系外惑星を観測する方法は

  • トランジット法
  • ドップラー分光法

↑があります。

しかし、トランジット法とドップラー分光法は主星ありきの観測方法だったので、自由浮遊惑星を見つける際に活用できませんでした。

パラバース博士

さらに、自由浮遊惑星は銀河系を放浪しているからこそ、余計に発見しづらいのです。

どう言う事ですか?

目印が存在しない

系外惑星は先に見つかった恒星が目印となり、その近辺を探す事で見つかった訳です。

しかし、自由浮遊惑星は恒星の周りを公転していないので目印がなく、どこに存在するのか全く見当が付かないのです。

闇雲に探しても見つからない

恒星の大きさを「ビー玉」サイズまで小さくしたとします。

恒星をビー玉サイズに置き換えた場合、恒星同士の平均距離は東京〜小田原までの距離と同等になるのです。

つまり、宇宙は広すぎるのであてもなく探しても自由浮遊惑星は見つからないのです。

恒星同士の平均距離が分かると、銀河系って思った以上にスカスカなんですね…

パラバース博士

スカスカ部分が広大すぎるからこそ、自由浮遊惑星の発見は困難を極めるのです。

重力マイクロレンズ法で観測

自由浮遊惑星はどうやって見つけたんでしょうか?

パラバース博士

「マイクロレンズ法」を用いて発見にいたりました。

光は重力で捻じ曲げられる

光は何もない所では真っ直ぐ進みます。

しかし、引力の強い天体が近くにあると、光は捻じ曲げられる事が分かっています。

重力の影響で光が捻じ曲げられる現象は、大きな恒星やブラックホールなど、大質量天体でしか確認できませんでした。

大質量天体に比べて自由浮遊惑星は引力がとても小さいため、光が捻じ曲がる現象が確認できなかったのです。

パラバース博士

観測技術が向上すると、自由浮遊惑星ほどの小さな天体でも、光のねじ曲がりが観測できる様になったのです。

僅かな光の捻じ曲がりも観測可能に

従来のコンピューターではごくわずかな光の捻じ曲がりは観測不可能でした。

しかし、高性能なコンピューターが開発されると、ごくわずかな光の捻じ曲がりでも観測可能になったのです。

パラバース博士

ごく僅かな光の捻じ曲がりで自由浮遊惑星を発見する方法が「重力マイクロレンズ法」なのです。

光の捻じ曲がりとかよく分からないけど、とりあえず重力マイクロレンズ法は画期的な観測方法なんですね?

2秒〜から一瞬だけ「リング」になる際に観測可能

それでも観測が難しい

パラバース博士

重力マイクロレンズ法は、観測できるタイミングが非常に困難な事実があります。

恒星と惑星が一直線に並んだ時しか観測できない

重力マイクロレンジ法は、地球から見て恒星と惑星が一直線に並んだタイミングのみ観測が可能です。

広い宇宙の中を放浪する自由浮遊惑星が、たまたま恒星と一直線の位置に来ないと観測すらができないのです。

地球から見て、自由浮遊惑星がどのタイミングで恒星と一直線に並ぶかは未知数。

パラバース博士

タイミングを待たない点から、重力マイクロレンジ法は確実な観測方法とは言えないのです。

重力マイクロレンジ法は運要素が強いんですね?

自由浮遊惑星に衛星は存在する?

パラバース博士

自由浮遊惑星は銀河系だけでも数千億〜1兆個は存在するので、衛星があってもおかしくありません。

現状、自由浮遊惑星の衛星は未発見です。

ふと思ったのですが、自由浮遊惑星に衛星が存在するなら、その惑星が主星となる惑星系が形成されるのではありませんか?

自由浮遊惑星って恒星が惑星に置き換わっただけな感じがします?

パラバース博士

確かに、その考えは間違っていません。

衛星ではなく「惑星」では?

  • 恒星はエネルギーを生み出して熱と光を発している
  • 惑星はエネルギーを生み出していない

↑ざっくり解説するとこんな感じです。

もし、自由浮遊惑星の周りを公転する衛星があるのなら、自由浮遊惑星は主星になる訳です。

自由浮遊惑星が主星ならば、その周りを公転する天体は衛星ではなく「惑星」と呼べるかもしれません。

恒星未満だと「自由浮遊惑星」になる?

惑星の中には、恒星になりきれなかった「褐色矮星」が存在します。

褐色矮星に主星が存在せず、褐色矮星自体が主星になっていたらそれは自由浮遊惑星になります。

パラバース博士

以上の事から、自由浮遊惑星は惑星系になりきれなかった存在と言った見方もできます。

そう考えると「自由」「浮遊」の文字を当てはめて良いのか?微妙ですよね。

発見された自由浮遊惑星の一覧

自由浮遊惑星の想像図
パラバース博士

今まで発見された自由浮遊惑星の一部はこちらです。

  • S Ori 70
  • CFBDSIR J214947.2-040308.9
  • PSO J318.5338-22.8603
  • Cha 110913-773444
  • UGPS 0722-05

↑その他、数十個以上の自由浮遊惑星が発見されています。

最初に発見された「S Ori 70」とは?

「S Ori 70」は地球から約1435光年離れた位置に存在する、初めて見つかった自由浮遊惑星です。

直径は木星1.6倍、質量は木製の3倍ほどで、主な成分はガス(気体)です。

惑星の中では質量が大きく、恒星になりきれなかった「褐色矮星」だと考えられています。

衛星は未発見ですが、もし衛星が複数存在すれば、規模の小さな惑星系を形成している可能性があります。

まとめ

パラバース博士

まだまだ、知名度の低い「自由浮遊惑星」ですが、観測技術の進化でどんどん発見されていくと思われます。

パラバース博士

そして、自由浮遊惑星には生命誕生の可能性もあることも覚えておきましょう。

今後の調査で、面白い自由浮遊惑星が発見されたら教えて下さい!

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