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そこは天国?地獄?「ティーガーデン星b」に人類は移住できる?生命はいるのか?詳しく解説します!

21世紀に入ってから、地球に似ている太陽系外惑星は多数発見されています。

その中でも、2019年に発見された「ティーガーデン星b」は、群を抜いて地球に似ている惑星と考えられています。

地球との類義性から、生命存在の可能性や人類の移住先候補にも選ばれるほど。

地球の兄弟かもしれない「ティーガーデン星b」

どんな惑星でどんな環境なのか?

パラバース博士

今回は、系外惑星「ティーガーデン星b」の特徴を詳しく解説します。

目次

系外惑星「ティーガーデン星b」とは

ティーガーデン星bの想像図「Bubblesorg作」出典:Wikipedia
ティーガーデン星b地球
直径地球より少しだけ大きい?約12,742 km
質量約61垓9,500京トン約59垓7,000京トン
自転周期不明24時間
公転周期約4.91日(地球時間)365日
主星までの距離約377万 km約1億4,960万 km

ティーガーデン星bは、おひつじ座にある恒星「ティーガーデン星」を公転する系外惑星です。

地球からは約12.5光年離れた位置に存在し、ドップラー分光法によって発見されました。

直径は不明ですが、質量が地球に近いため大きさも地球に近いと思われます。

地球類似性指標は「0.93」

ティーガーデン星の想像図
地球1
ティーガーデンb0.93
ケプラー1649c0.92
TRAPPIST-1d0.89
プロキシマ・ケンタウリb0.87
ケプラー452b0.83
グリーゼ667Cc0.78
火星0.70
パラバース博士

地球との共通点を表す地球類似性指標は「0.93」と、驚くべき数値です。

地球類似性指標

大きさ&質量、成分など地球との共通点の多さを表す指標の事を「地球類似性指標」と呼びます。

数値が「1」に近いほど地球と共通点が多いです。

ただ、人類の居住性(住みやすさ)や生命存在は指標になっていないので、1に近くても人類が住みやすいとは限りません。

ティーガーデンbは、現状発見されている系外惑星の中で、一番地球に似ているって事ですか?

パラバース博士

その通りです!まさに、ティーガーデンbは地球の兄弟と言って差し支えないでしょう。

ハビタブルゾーンの中にある

パラバース博士

ティーガーデン星b特記すべき点は、ハビタブルゾーン圏内を公転している事でしょう。

主星(恒星)から近すぎない&遠すぎない、水が液体状で存在できる領域をハビタブルゾーンと呼びます。

もし、液体の水が安定的に存在すれば、海や湖が形成されている他、生命が存在する可能性も高くなります。

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表面の様子

TRAPPIST-1dの想像図。主星(恒星)が高く上る時間帯でも薄暗く、星が見える
ティーガーデン星b地球
表面温度約28℃(推定)約15℃
明るさ昼間でも薄暗い昼は明るい

平均表面温度は28℃と言われ、水が液体で保持するには十分な温度といえます。

ただ、表面温度は大気や水蒸気の量で変動するので、28℃はあくまで予想にすぎません。

昼間の空は赤く薄暗い?

TRAPPIST-1dの表面の様子

主星のティーガーデン星はとても暗い恒星なので、ティーガーデン星bに届く可視光線はとても少ないです。

そのため、ティーガーデン星bは常に薄暗く、昼間でも星空が見える環境かもしれません。

(ティーガーデン星の光度は太陽の約0.07倍)

また、主星のティーガーデン星は赤く輝いていることから、ティーガーデン星bは夕焼けのように赤く照らされていると考えられています。

地表は暖かいのに薄暗い環境と言うのが理解できません。

パラバース博士

確かにそう思いますよね。しかし、主星(恒星)ティーガーデン星の詳細を知るとその疑問も晴れるはずです。

主星「ティーガーデン星」の特徴

赤色矮星の想像図
太陽ティーガーデン星木星
恒星の区分G型主系列星赤色矮星
直径約1,392,700 km約149,000 km約139,820 km
質量1.98892 × 1030太陽の約0.089倍太陽の約0.1倍
表面温度約5,800℃約3,000℃
光度1太陽の約0.07倍
パラバース博士

↑ご覧の様に、ティーガーデン星は恒星でありながら、大きさは木星程度です。

ティーガーデン星は、太陽と比べるとかなり小さな恒星なんですね。

ティーガーデン星は「赤色矮星」

ティーガーデン星は、赤色矮星(せきしょくわいせい)と呼ばれる小型&低質量の恒星です。

銀河系に存在する恒星の約75%は赤色矮性と考えられているので、ティーガーデン星はごく一般的な恒星と言えるのです。

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ティーガーデン星bに生命はいる?

ティーガーデン星bに生命はいるのでしょうか?

パラバース博士

残念ながら地表の様子は分からないので、ティーガーデン星bに生命がいるかは不明です。

パラバース博士

ただ、ティーガーデン星b「ある理由」で生命誕生に有利な環境と言われています。

主星の活動は落ち着いている

赤色矮星を公転する系外惑星は多数発見されていますが、赤色矮星は恒星風が発生しやすい特徴があります。

恒星風は恒星を公転する惑星の地表を汚染してしまうので、恒星風が発生しやすい赤色矮星を公転する惑星は生命誕には厳しい環境と考えられています。

プロキシマケンタウリbなど

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ティーガーデン星は静かな恒星

主星(恒星)のティーガーデン星は、恒星風の脅威が少ない静かな恒星である事が分かりました。

そのため、惑星のティーガーデン星bの地表は恒星風によって汚染されている可能性は低いと考えられています。

パラバース博士

主星(恒星)に恵まれている点は、他の系外惑星にない大きな強みと言えます。

潮汐ロックで灼熱の環境?

パラバース博士

ティーガーデン星bは主星(恒星)から距離が近いので、潮汐ロックによって片面が常に昼or夜になっている可能性があります。

潮汐ロックとは?

主星から距離が近い天体は、重力の影響を強く受けて自転と公転が同期する潮汐ロックが発生します。

潮汐ロックを受けた天体は常に同じ面を主星に向けているので「片面は永遠の昼」「もう片面は永遠の夜」になってしまうのです。

パラバース博士

常に日光が当たっている地域の気温はどうなると思いますか?

どんどん気温が上がって暑くなりますよね?

灼熱&極寒で地獄の惑星?

常に昼の地域が灼熱、常に夜の地域が極寒だと、ティーガーデン星bは生命が住むには厳しい環境になってしまいます。

温度は例です。

ティーガーデン星bが潮汐ロックされているかは不明ですが、もし潮汐ロックされていると生命には厳しい環境になっているかもしれません。

暑くもない&寒くもないちょうど良い地域はありませんか?

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トワイライトゾーンは快適?

温度は例です。
パラバース博士

日向と日陰の狭間にある「トワイライトゾーン」は適温の環境かもしれません。

トワイライトゾーンとは?

潮汐ロックされている場合、日が沈みかけているor沈んでいる地域の気温は下がるので、暑すぎない&寒すぎない快適な環境になっている可能性があります。

しかし、日向と日陰の狭間にある「トワイライトゾーン」は、ごく僅かな地域限定の話になるので、生命が住める地域も少なくなってしまいます。

「ティーガーデン星c」の方が生命に有利?

ティーガーデン星bティーガーデン星c
直径不明不明
質量約61垓9,500京トン約66垓2,700京トン
自転周期不明不明
公転周期約4.91日(地球時間)約11.4日(地球時間)
主星までの距離約377万 km約662万 km
表面温度約28℃-47〜-18℃

「ティーガーデン星c」はティガーデン星bの1つ外側を公転する系外惑星です。

ティーガーデン星cもハビタブルゾーン圏内ですが、主星から距離が離れているので、表面温度-47〜-18℃とかなり寒い環境だと思われます。

パラバース博士

当然、表面温度-47〜-18℃では液体の水を維持するのは難しいですが、潮汐ロックされていれば話は別です。

潮汐ロックで快適な環境かも?

温度は例です。

ティーガーデン星cも主星から近く潮汐ロックを受けている可能性があります。

元々寒い惑星であるティーガーデン星cが潮汐ロックされると、永遠の日向の地域は適温になっているかもしれないのです。

潮汐ロックを受けている惑星は、少し離れている&少し寒い事がメリットになるんですね?

パラバース博士

その通り!以上の事から、ティーガーデン星cの方が生命存在に有利かつ人類の移住先としても有望な可能性もあるのです。

ティーガーデン星bとcに人類は移住できる?

「ティーガーデン星b」と「ティーガーデン星c」に移住って可能なんですか?

パラバース博士

地球から距離は約12.5光年なので、今の技術では移住不可能です。

12.5光年とは?

1光年は約9兆4600億kmなので

地球からティーガーデン星bとcは約118兆kmも離れている事になります。

そもそも、光の速さでも12,5年もかかる距離なので「ティーガーデン星b」と「ティーガーデン星c」に移住する場合、光速に匹敵する宇宙船やワープを駆使しての移動が必要になります。

もちろん、現代の技術ではその様な宇宙船はありませんし、できる気配もありません。

約118兆kmって…ティーガーデン星bに移住できる日は来るのでしょうか?

パラバース博士

「ティーガーデン星b」と「ティーガーデン星c」に移住できる日が来るのか?その前に人類は滅びてしまうのか?それは、未来だけが知る事実と言えます。

まとめ

パラバース博士

ティーガーデン星bはまだ発見されたばかりなので、不明点が数多く存在します。

パラバース博士

今後の調査で新たな発見があるかもしれないので、期待しましょう。

ぜひ「ティーガーデン星b」と「ティーガーデン星c」に生命が発見されてほしいです!

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