皆さんは、水星の1日は1年より長いことをご存知でしょうか?
これを地球で例えると「起床→出社→帰宅→就寝」
このよくあるルーティンを1回行うだけで、2年の月日が経過しまうことになります。
(語弊のある例えですが)
ちょっとなに言ってるか分からない?
では今回、水星の1日が1年より長い理由を詳しく解説します。
イラスト付きで解説
「水星の1日が1年より長い理由」は想像以上に複雑です。
説明する側も頭がこんがらがるほどなので、本記事はイラストを沢山使わせて頂きました。
初心者でも分かりやすい内容になっているので、ぜひ最後まで読んでほしいです。
そもそも「1日&1年」の定義とは
1日は「昼〜次の日の昼」まで
1日とは「昼〜次の日の昼」を迎えるまでのことを指します。
(スタートの時間に定義はない)
地球では、地球自体が1回転する「自転周期=1日」とされています。
地球の1日は24時間であることは皆さんもご存知のはず。
対する水星の1日は地球時間で176日とかなり長めです。
1年は「太陽の周りを1周」するまで
1年とは「惑星が太陽を1周」するまでの期間を指します。
この、惑星が太陽を1周するまでの期間を「公転周期」と呼びます。
地球では「公転周期=1年」であり、地球の1年は365日であることは皆さんもご存知のはず。
対する水星の1年は88日とかなり短めです。
水星は「自転周期=1日」ではない
地球の公転周期&自転周期
- 自転周期=24時間
- 公転周期=365日
↑地球では自転周期が365日繰り返すことで、1年経つと言うこと。
水星の公転周期&自転周期
- 自転周期=地球時間で58日
- 公転周期=地球時間で88日
↑先述の様に、水星の「1日は176日」ですが「自転周期は58日」です。
つまり、水星では自転周期=1日ではないのです。
88÷58=約1.5で、水星の1年が地球時間で約1.5日にならないのはなぜ?
では、次の項目で水星の自転周期=1日ではない理由を詳しく解説していきます。
水星の1日が176日になる理由を解説!
水星の自転&公転は「反時計回り」
北極を上として見ると、水星の自転は反時計回りです。
そして、太陽の周りを回る公転も反時計周りです。
水星の1日が1年より長くなる理由を知るために、自転と公転の向きが同じであることを覚えてほしいです。
A地点「昼の12時」からスタート
では、ここから「A地点」を基準に、水星の1日と1年のシミュレーションを見ていきましょう。
A地点は太陽が一番高く登る昼間12時をスタートとします。
太陽の周りを「4分の1周」した時
まず、水星が太陽の周りを反時計回りに4分の1周します。
もし、水星が自転していないとA地点は左横のになるはずですが、水星は反時計回りに自転しているので、A地点は真昼と日没の中間になります。
地球で例えると15時です。
太陽の周りを「4分の2周」した時
さらに、4分の2周(半周)すると日没前後の時間になります。
地球で例えると18時です。
この時点で昼から夜になっただけですが、太陽の周りを半周しているので、半年経っていることになります。
なんとなく分かってきた。
太陽の周りを「4分の3周」した時
さらに、4分の3周すると太陽が当たらないすっかり夜の状態
地球で例えると21時です。
太陽の周りを「4分の4周」した時
4分の4周、つまり太陽の周りを1周した時
この段階で水星は太陽の周りを1周しているので、1年経っている訳ですがA地点はまだ半日しか経っていません。
昼間の12時から半日と言うことは、A地点はまだ真夜中の24時です。
なるほど!1日の流れがゆっくりだから1年経っても1日経たないってことね?
その通り!ここまで来れば、後は分かるはずです。
太陽の周りを「4分の5〜8周」した時
4分の4周(1周)で半日と言うことは、さらに4分の8周(2周)すると1日になる訳です。
結果、昼〜次の日の昼を迎えるまで太陽を2年かかると言うこと。
以上が水星の1日が1年より長い理由でした。
なるほど。なぜ地球では水星と同じ様なことが起きないのですか?
地球の1日が1年より短い理由
地球は、公転周期と自転周期に大きな開きがあるので点がポイントです。
公転の距離が短いと「自転周期=1日」で計算可能なのです。
確かに、公転周期を365等分すると1日で進む距離はかなり短いですよね。
結論
- 自転周期と公転周期に開きがあると「自転周期=1日」になる可能性が高い
- 自転周期と公転周期が近いと、自転周期=1日にならない可能性が高い
まとめ
地球では「自転周期=1日」ですが、この常識は惑星によって通用しないケースがあるのです。
惑星の1年と1日とは
1年は「天体の周りを1回転するまで」と言う絶対的な定義がある
1日は「自転と公転の関係」で異なる場合があり、定義が相対的
1日と1年の長さの逆転は、自転&公転がどちらも反時計回り、自転周期と公転周期の差が小さいときに発生する現象です。
水星の1日が1年より長い理由がよく分かりました!
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