今回は2023年に発見された系外惑星「TOI-700e」と「TOI-700d」をご紹介します。
TOI-700eとTOI-700dはハビタブルゾーン(居住可能)に位置する惑星であり、水や大気があれば生命存在の可能性があるのです。
さらに、地表の環境が地球に似ていれば人類の移住先候補にもなるのです。
では、TOI-700eとTOI-700dはどんな惑星なのか?
パラバース博士今回は、系外惑星「TOI-700e」と「TOI-700d」の特徴を詳しく解説します。
系外惑星「TOI-700e」&「TOI-700d」とは


TOI-700の惑星系はかじき座の方向に約100光年以上離れた位置に存在し、4つの惑星が発見されています。
TOI-700の惑星一覧
- TOI-700 b
- TOI-700 c
- TOI-700 e
- TOI-700 d
↑中でもTOI-700eとTOI-700dは生命存在の可能性、人類の移住先候補とも言われているので注目度の高い惑星と言えます。



本記事は「TOI-700e」と「TOI-700d」をピックアップして解説します。
TOI-700eとは?


| 地球 | TOI-700e | |
| 直径 | 約12,742 km | 約12,105 km (地球の約0.95倍) |
| 質量 | 約59垓7,000京トン | 地球の約0.95倍 |
| 表面温度 | −30℃〜50℃ | −30〜0℃ |
| 自転周期 | 24時間 | 不明 |
| 公転周期 | 365日 | 約27.8日 |
| 主星までの距離 | 約1億4,960万 km | 約1,870万 km |
TOI-700eは直径&質量共に地球とよく似ています。
重力も地球と大差なければ、人類の移住先としてとても優良な惑星になります。
予想される表面温度は−30〜0℃と地球より少し寒冷ですが、水蒸気や二酸化炭素などの温室効果ガスが存在すれば表面温度は高くなります。
また、潮汐ロックの影響で赤道に近くなるほど暖かいor暑い環境になっている可能性もあります。



赤道付近は気温が高く水の少ない砂漠地帯、経線が上がるにつれて気温が下がり海や湖を形成しやすい環境になっているかもしれません。
TOI-700dとは?


| 地球 | TOI-700d | |
| 直径 | 約12,742 km | 約15,179 km (地球の約1.54倍) |
| 質量 | 約59垓7,000京トン | 地球の約1.72倍 |
| 表面温度 | 50℃〜−30℃ | −40℃〜−20℃ |
| 自転周期 | 24時間 | 不明 |
| 公転周期 | 365日 | 約37.4日 |
| 主星までの距離 | 約1億4,960万 km | 約2,440万 km |
TOI-700dはTOI-700eの1つ外側を回っている惑星。
大きさ&質量ともに地球より一回り大きく、地球より重力が強くなっている可能性があります。
主星からやや離れているため予想表面温度は−20℃〜−40℃で、TOI-700eより寒冷な環境になっていると思われます。
やや強い重力、熱エネルギーの低さから、人類の移住先としてはやや不利な環境になっているかもしれません。



TOI-700dは地球で例えると、北欧地域〜北極or南極のような世界だと思っています。
TOI-700eとd 生命存在に有利なポイント



ここでは、TOI-700eとTOI-700dが生命存在に有利な点を詳しく解説します。
どちらも岩石惑星


TOI-700eとTOI-700dどちらも推定される大きさ&質量から見て、どちらも硬い地表を持つ岩石惑星と考えられています。
硬い地表は生命が誕生する際に発生する化学反応の土台となるので、ガス惑星よりも生命誕生に有利な環境と言えるのです。
また、硬い地表は水循環を発生させやすい環境になります。
ハビタブルゾーンの中にある
TOI-700eとTOI-700dどちらも、主星から近すぎない遠すぎないハビタブルゾーンに位置する惑星です。
eとd推定の表面温度は−40〜0℃と地球と比べるとやや寒冷ですが、保温効果のある水蒸気や大気があれば表面温度は高くなっている可能性があります。
表面温度が高くなれば液体の水を安定的に維持する事もできます。
生命における「液体の水」の重要性
液体の水は溶媒として優秀な成分です。
- 栄養素
- ミネラル
- 有機物
↑生命に必要な成分の多くは水を通して運ばれてきます。
生命誕生の化学反応の多くも水中で発生しているので、液体の水は生命誕生には欠かせないのです。



液体の水である事が大切なんですね?



その通り。生命誕生の化学反応の多くは分子が自由に動いて衝突することで発生するので、個体の水(氷)だと生命誕生の可能性は非常に低くなるのです。


潮汐ロックが良い影響になっている?
TOI-700dとTOI-700eどちらも予想平均気温だけを見ると寒冷な環境に思えますが、潮汐ロックの影響で温暖な環境になっている可能性もあります。
潮汐ロックを受けている天体は常に片側を主星に向けているため、永遠の日向の地域が存在し熱エネルギーが蓄積されて平均気温が高くなっているかもしれないのです。
寒いの環境では生命誕生の化学反応のスピードも鈍くなってしまいますが、気温が上がれば化学反応のスピードは早くなります。
潮汐ロック(固定)とは?
公転する天体が主星の重力の影響を強く受ける事で、主星に対して常に同じ面を向けている状態を、潮汐ロック(潮汐固定)と呼びます。
潮汐ロックされている身近な例は、地球と月の関係があり、主星とその周りを公転する天体の距離が近い時に発生する現象です。



ただ、熱エネルギーを蓄えすぎると気温が上がりすぎて金星のように灼熱の惑星になってしまう可能性もあります。



潮汐ロックが生命誕生に良い影響をもたらしているのか?それとも悪い影響をもたらしているのか?現時点で不明です。


TOI-700eとTOI-700dに人類は移住できる?


TOI-700eとTOI-700dは人類の移住先候補として有利な点がいつくかあります。
- ハビタブルゾーンの中にある
- TOI-700eの重力は地球とほぼ同じ
- TOI-700eとdは同じ惑星系のため移動が容易
↑全て推測ですが



いつかTOI-700eとTOI-700dに移住はできる日は来るのでしょうか?



現段階で、距離的な問題で移住は難しいでしょう。
102光年の壁


TOI-700eとTOI-700dどちらも地球から約102光年と途方もなく遠くに位置しています。
102光年をkmで換算すると約965兆km
約965兆kmも先だと、人類最速のロケットと言われる「パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe)」を使って移動をしたとしても約16万年もかかってしまいます。



そもそも、地球からTOI-700eとTOI-700dまで102光年だから光の速さでも102年もかかるって事ですよね?



そうです。TOI-700eとTOI-700dの移住を現実化させるには光よりも早いロケットを作り出すか、ワープ等の技術を使わない限り移住は不可能なのです。
もちろん、光よりも早いロケットもワープも現時点で夢物語。
TOI-700eとTOI-700dに移住できる日が来るか?その前に人類が滅びるのかは未来だけが知る事実と言えます。
主星TOI-700の特徴


最後に、TOI-700eとTOI-700dの主星であるTOI-700の特徴を簡単に解説します。
TOI-700は恒星の中では小型で低温のM型主系列星(赤色矮星)に分類されます。
| TOI-700 | 太陽 | |
| 恒星の区分 | M型主系列星 (赤色矮性) | G型主系列星 |
| 表面温度 | 約3,100℃ | 約5,800℃ |
| 直径 | 約42万km | 約139万2,000 km |
| 質量 | 太陽の約36% | 1 |
| 自転周期 | 約40日 | 25〜35日 |
| 光度 | 太陽の約2〜3% | 1 |



TOI-700って太陽と比べるとかなり小さな恒星なんですね?



太陽と比べると小さく感じますが、M型主系列星(赤色矮星)は銀河系内ではごく一般的な恒星です。


まとめ
TOI-700eとTOI-700dは発見されてからまだ年月が浅く、まだ分からない事が沢山あります。
現時点で大きさや主星からの距離など限定的な事しか分かっていませんが、探索技術が上がれば知られざる詳細も明らかになるかもしれません。



TOI-700eとTOI-700dどちらも今後の調査に期待しましょう。



TOI-700eとTOI-700dの新しい情報楽しみにしています!











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