太陽系の宝石の異名を持つ「土星」
土星最大の特徴は美しい「輪」ですが、皆さんは土星の輪の正体をご存知でしょうか?
実は、土星の輪の正体を深堀すると面白い雑学が沢山見つかります。
そして輪だけでなく、惑星本体にも様々な特徴があるのです。
美しい、大きい、個性豊かな太陽系の惑星。
今回は「土星」の特徴を詳しく解説します。
土星ってどんな惑星?
直径 | 116,460km |
表面温度 | 平均−120℃ |
重力 | 地球の9.4倍 |
質量 | 地球の95倍 |
公転周期 | 約29.5年(地球時間) |
自転周期 | 約10時間(地球時間) |
土星は太陽系の第6惑星で、地球の外側を回る外惑星です。
硬い地表を持たないガス惑星で、木星型惑星に分類されます。
太陽から木星までの距離は14億3000万kmで、地球から太陽までの距離1億4960万kmと比べると、かなり遠くに位置することが分かります。
太陽から距離が離れているため、平均気温は−120℃と極寒の世界です。
土星は肉眼で見ることはできますか?
肉眼でも観測可能です。そのため、古くからその存在を知られていました。
大きさや質量
土星の大きさ
土星の直径は約116,460kmで、太陽系の惑星の中では2番目の大きさを誇ります。
地球の直径は1億4960万kmなので、土星は地球の9倍の大きさです。
体積は地球の745倍です。
(輪の大きさは後述)
直径 | 地球と比較 | |
地球 | 12,742km | 1倍 |
土星 | 116,460km | 地球の約10倍 |
太陽 | 1,392,700km | 地球の約109倍 |
土星の質量
土星は大きさの割に質量は低めで、地球の質量の95倍程度しかありません。
サイズは大きいけど中身はスカスカな惑星なのです。
質量 | 地球と比較 | |
地球 | 5.9742 × 1024 kg | 1倍 |
土星 | 5.683 × 10^26 kg | 地球の95倍 |
太陽 | 1.98892 × 1030 kg | 地球の約33万3,060倍 |
土星は水に浮く惑星
土星の密度は水よりも小さいため、もし土星が入るプールが存在すれば浮いてしまいます。
惑星が入るプールなんてなさそうですけどね。
楕円形の惑星
土星は赤道が横に膨らんだ、楕円形の形をしています。
赤道の膨らみを表す「扁平率」は0.09796と太陽系の惑星の中では最大です。
実際、北極〜南極までの直径が108,728km に対して赤道の直径は120,536kmと、その差は11,808kmもあります。
なぜ土星はこれほど楕円形なの?
その理由は以下の通り。
土星が楕円形である理由
- 時速3,5280kmで自転しているので強い遠心力が働く
- ガス惑星なので遠心力の影響を受けやすい
- 質量&密度が小さいので遠心力の影響を受けやすい
同じガス惑星である、木星も赤道部分が膨らんでいます。
大気や成分
土星の主成分
- 水素(約93%)
- ヘリウム(約5%)
- メタン(約0.2%)
- 水(約0.1%)
- アンモニア(約0.01%)
水素とヘリウムを主成分とする点は木星に似ています。
正六角形の雲の謎
土星の北極付近には、正六角形で形成された雲が存在します。
この正六角形の雲は直径13,800kmに及び、雲の中に地球がすっぽり入ってしまうほど巨大です。
なぜ「正六角形」の形状を維持し続けているのか?詳しい事は分かっていません。
土星の内部構造
土星は密度の低さから、他のガス惑星と違って硬い核が存在しないと考えられています。
土星の中心部分は、水と岩と液体水素&ヘリウムが混じり合った泥状の核が存在する考えられています。
内部構造も木星に似ていますが、木星は密度が高くギュッと固まっているのに対して、土星は密度が低く、ゆるく固まっている惑星と言えます。
土星の衛生
土星には145個もの衛星が発見されていて、太陽系最大の惑星の中では最も多くの衛星を持っています。
特記すべき土星の衛生は以下の通り。
氷の下に広大な内部海が存在し、さらに熱源が存在すると考えられています。
エンケラドゥスは、太陽系の天体の中では、最も生命が存在する可能性の高いと言われています。
土星は生命が存在するかもしれない衛星が2つもあるのね!
その他、土星の大きな衛星
- レア
- イアペトゥス
- テティス
- ミマス
- ディオネ
土星の環(輪)に関する雑学や特徴
では、ここからは皆さんお待ちかねの、土星の環(輪)の特徴や雑学を詳しく解説します。
土星といえば、やっぱり輪(リング)ですよね!
そもそも、輪の正体とは
結論、土星の輪は氷の塊の集合体です。
輪を形成している氷の大きさは数m〜数㎝ほどで、成分の99%は水と言われます。
輪は土星の周りを回っているので、その点は衛星に似ています。
しかし、輪を形成している氷はとても小さいので、衛星に分類されません。
輪が誕生する経緯〜消滅まで
なぜ、土星には輪があるの?
かつて土星に接近した、他の天体の残骸である可能性が高いです。
土星の輪が形成された2つの説
- 土星の衛星が引力に引き寄せられた結果、破壊されて輪が形成された。
- 巨大な天体が土星に衝突して、粉々に砕け散った残骸が輪を形成した。
他の天体である可能性が高いのね?
そうなんです。土星の輪は1千年〜1億年前に形成されたと言われています。
土星の輪はいずれ消滅する?
水氷で構成されている輪は、土星の表面に雨となって降り注いでいます。
そのため、1億年前後で土星の輪は土星に吸収されて消滅してしまうと考えられています。
土星の誕生は約46億年前
- 土星の輪の誕生は「約1億年前」
- 土星の輪の消滅は「約1億年後」
↑目安ですが
以上の点を踏まえると、土星の輪を綺麗に見れる期間はごく僅かと言えるのです。
確かに!綺麗な輪を見れる私たちはラッキーなのかもね!
輪の大きさ&厚さは?
輪の直径
輪の大きさってどれぐらいですか?
土星の輪の直径は約27,000kmもあります。
これは土星本体の2,25倍の大きさで、地球を横に並べると22個も並んでしまいます。
輪の厚さ
土星の輪の厚さは平均で数十メートルしかありません。
あれ?土星の輪って意外とペラペラなんですね。
その薄さから、輪の質量は土星本来の質量に比べて2,000万分の1程度と言われています。
輪の発見
土星の環(輪)は肉眼で観測できないので、輪の存在を確認されたのは近年になってからです。
初めて土星の輪を確認したのは、1610年ガリレオ・ガリレイの望遠鏡の観測によるものでした。
(ガリレオは輪だと断定していない)
その後、1655年クリスティアン・ホイヘンスの観測によって「土星には輪がある」と、はっきり証明されました。
輪の種類
遠目で見ると土星の輪は1つですが、様々な種類があります。
A〜G環まで
土星の輪の種類 | 土星の中心からの距離 | 幅 |
Dリング | 67,000 km | 7,500 km |
Cリング | 74,500 km | 17,500 km |
Bリング | 92,000 km | 25,500 km |
Aリング | 122,200 km | 14,600 km |
Fリング | 140,210 km | 400 km |
Gリング | 165,800 km | 8,000 km |
Eリング | 180,000 km | 3,000,00 km |
土星に生命はいる?
結論、土星に生命は存在しない可能性が高いです。
他のガス惑星もそうだけど、生命がいる感じしませんよね?
でも、断定はできない
土星内部まではっきり観測した例がないので、絶対に生命がいないと断言できません。
もしかしたら、土星の環境に対応した生命が存在するかもしれません。
土星の探査
今まで土星に訪れた探査機は4つあります。
土星に到達した探査機
- パイオニア11号(1973年に打ち上げ)
- ボイジャー1号(1977年に打ち上げ)
- ボイジャー2号(1977年に打ち上げ)
- カッシーニ(1997年に打ち上げ)
なるほど、最近は打ち上げられていないんですね?
土星は距離が遠いので探査が難しいのが現実でしたが、新たな探査計画が進行中です。
タイタン・サターン・システム・ミッション
NASAとESAによる共同探査計画で、土星及び、衛生のタイタンとエンケラドゥスの探査も行う予定です。
タイタン・サターン・システム・ミッションは、土星には2029年の到達を目指しています。
まとめ
土星だけでなく、輪の詳細も知れて面白かったです。
個性豊かで話題に尽きない土星ですが、まだまだ未解明な部分が沢山あります。
今後の土星探査で、新たな発見を期待しましょう。
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