太陽系の1番外側に位置する「海王星」
長らく謎に包まれた惑星でしたが、1989年に探査機ボイジャー2号が訪れると、その詳細が明らかになります。
見た目こそ広大な海洋を思わせる美しい惑星ですが、実態はかなり恐ろしい環境であることが分かったのです。
(海王星の青色に関しては後述)
あまり知られてないけど、色々とダイナミックな「海王星」
本記事は、美しすぎる、怖すぎる「海王星」の特徴を徹底解説します。
海王星の特徴を解説
直径 | 49,244 km |
表面温度 | 平均−218℃ |
重力 | 地球の1.1倍 |
質量 | 地球の17.1倍 |
公転周期 | 約164.8年 |
自転周期 | 約16時間 |
海王星は太陽系の8番目の惑星で、太陽系の一番外側を回る惑星です。
太陽から海王星までの距離は45億440万kmで、地球から太陽までの距離1億4960万kmと比べると、はるかか遠くに位置することが分かります。
海王星は硬い表面を持たないガス惑星で、天王星型惑星に分類されます。
(広義には木星型惑星)
1846年に直接存在を確認され、太陽系の惑星の中では最も後に発見されました。
海王星の名称と見た目から海洋惑星にも見えますが、表面に液体の海はありません。
構造と成分は天王星とよく似ていますが、海王星には特記すべきポイントがいくつもあります。
(詳細は後ほど解説)
大きさや質量
海王星の直径
直径 | 地球と比較 | |
地球 | 12,742 km | 1倍 |
海王星 | 49,244 km | 地球の約4倍 |
太陽 | 1,392,700 km | 地球の約109倍 |
海王星の質量(重さ)
質量 | 地球と比較 | |
地球 | 5.9742 × 1024 kg | 1倍 |
海王星 | 1.024 × 10^26 kg | 地球の約17倍 |
太陽 | 1.98892 × 1030 kg | 地球の約33万3060倍 |
やっぱり、ガス惑星って地球と比べると直径、質量が大きいですね。
一応、太陽系のガス惑星の中では最小サイズですけどね。
大気や成分
天王星の主成分
- 水素(約80%)
- ヘリウム(約18%)
- メタン(約1.5%)
- 水(少量)
- アンモニア(少量)
水素とヘリウムを主成分をする点は、木星や土星に共通しています。
しかし、海王星には水やメタンも沢山含まれているので、天王星型惑星と言われ、木星型惑星と区別する場合もあります。
海王星は水が沢山あるから青く見えるんですか?
いえ、青く見える理由はメタンの大気によるものです。
青く見える理由
海王星が青く見える理由は、大気に含まれる「メタン」が関係しています。
メタンは太陽光の赤い光を吸収して青い光を反射する作用があるので、海王星は青く見えるのです。
水が主体の内部海が存在する可能性もありますが、青く見える理由と関係ないと思って下さい。
海王星って天王星より青くて綺麗な惑星ですよね。
海王星は綺麗な青色と思われていますが、実はそうでないことが2024年に明らかになりました。
実は薄青色
1989年ボイジャー2号によって撮影された海王星は薄青色で、天王星とよく似た色をしていました。
しかし、コントラストを強調する処理した結果、元の色より青くなりすぎた状態で全世界に発信されてしまったのです。
青の色を強調された画像が公開された当初は「本当はもっと薄い青色」的なことを説明するキャプションがあったようですが、時間の経過と共に失われてしまいました。
結果、海王星は青くて綺麗な惑星として誤認知されるようになったのです。
そして、海王星の色に関する誤認識を解消するために、2024年に再加工された本当の色が公開されたのです。
↑上段右が公開当初の海王星の画像
下段右は再加工された本当の色である海王星。
下段右の再加工された海王星は天王星とよく似た色をしていることが分かります。
確かに!大きさもほとんど同じだから、海王星と天王星は姉妹みたいですね。
でも、再加工された海王星ってあまり綺麗じゃありませんね。ちょっと残念…
そうなんです。「海王星=美しい」のイメージが再加工によって崩れてしまったかもしれません。
海王星の衛星
海王星には14個の衛星が発見されています。
最大の衛星は「トリトン」で、直径2,706kmと太陽系の衛星の中では7番目の大きさを誇ります。
トリトンは、海王星の自転とは逆方向に公転する非常に珍しい衛星です。
それ以外の衛星は、直径数十〜数百kmほどしかなく形も不規則で、小惑星に似ています。
衛星の他に、海王星には輪(環)が存在しますが非常に希薄で、高性能な望遠鏡を使わないと観測できません。
衛星トリトンは生命存在の可能性がある注目度の高い天体です。
海王星の恐るべき気候とは?
海王星で発生している気候はとても特殊で、海王星の突起すべきポイントのほとんどが「気候」にあると言っても良いほど。
ここからは、海王星の特殊な気候についてご紹介します。
太陽系最大の風が吹いている
海王星は風速600m/s(時速2,200km )と、太陽系最大の風が吹いています。
風速600m/s(時速2,200km )ってどれぐらいの風なんですか?
地球上の風の強さの表現
- 静穏・風速0.3m/s 未満の風
- やや強い風・10m/s 以上 15m/s 未満の風
- 強い風・15m/s 以上 20m/s 未満の風
- 非常に強い風・20m/s 以上30m/s 未満の風
- 猛烈な風・風速30m/s 以上、または最大瞬間風速50m/s以上の風
風速50m/s (時速180km )は、トラックが倒れたり住宅が倒壊すると言われています。
海王星で吹いている風は、地球上で吹いている風と桁違いに強いことが分かります。
ちなみに、人間が風速600m/sの風を受けるとどうなるんですか?
粉々に砕け散って微塵となるでしょう。
海王星の「大暗斑」とは?
海王星には、大暗班(だいあんはん)と呼ばれる渦の様な物が存在します。
大暗班は海王星の台風にも見えますが、実態は渦ではなく、大気の薄い部分が暗く見えているだけ?と考えられています。
木星の「大赤斑」と比較されがちですが、大赤斑は木星の台風なので、大暗班と大赤斑は全く異なる気象現象でかもしれません。
大暗班の発生メカニズム、発生場所などは分かっておらず、色々と謎の多い現象です。
ダイヤモンドの雨が降っている?
海王星の内部では炭素が高圧力を受けてダイヤモンドが形成され、中心に向かって降っていると言われます。
つまり、海王星内部では「ダイヤモンドの雨」が降っている可能性があるのです。
「ダイヤモンドの雨」ってなんか夢がありますね!
しかし、時速2,200kmの風が吹いているので、真横から殺人的なスピードでダイヤモンドが降り注ぐことになります。
あ〜そっか💦ダイヤモンドの雨って聞こえは良いけど、実態は恐ろしいのね…
四季が存在するけど
海王星は太陽の一番外側を公転している惑星なので、平均表面温度は−220度と超極寒の世界です。
海王星は地軸が28.3度傾いているので、地球同様に四季が存在すると言われています。
しかし、海王星の公転周期(海王星の1年)は165年なので、1つの季節が40年以上続くことになります。
人間の寿命では、4つの季節を経験するのは難しいかもしれません。
それ以前に、海王星に住むことはできませんよね。
海王星に生命はいる?
海王星に生命がいるかどうか分かっていません。
でも、生命がいるとは思えないです。
もし、生命がいても地球上で見かける生命とは大きく異なる姿をしているかもしれません。
まとめ
海王星ってちょっと怖いとこもあるけど、色々な特徴があって面白い惑星ですね!
そうなんです!しかし、未解明な部分も沢山あるので、今後の探査で海王星の全容がさらに明らかになってほしいです。
海王星の探査の予定は?
海王星に探査機が近づいた経験は、1977年に打ち上げられた「ボイジャー2号」のみです。
探査機「アルゴ」を打ち上げる計画がありますが、打ち上げ時期&海王星の接近時期などは未定です。
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