「惑星移住計画」とは、地球外の惑星&衛星に人類を移住させる計画の事です。
今までは、SFでしか取り上げられない空想の世界の話でした。
しかし、宇宙開発が進むに連れて、惑星移住計画も単なる作り話ではなくなっています。
惑星移住計画の中には、極めてハイリスクな意見や、将来を見据えた真面目な意見まで様々。
では、人類はどの惑星&衛星に移住するのか?
太陽系内における惑星移住計画とは何か?候補となる天体をご紹介します。
【太陽系】宇宙移民の候補となる天体
現状、すぐに人類が移住できる太陽系内の天体は存在しません。
しかし、地球に似ている天体であれば、人類が住める環境に変える「テラフォーミング」が必要となります。
この項目では、太陽系内で人類が移住できる候補となる惑星&衛星をご紹介します。
火星
惑星移住計画において、火星は最も注目を浴びています。
火星移住のメリット
火星の1日は24時間39分であり、地球の1日とほとんど変わりません。
地軸の傾きも地球に似ているので、火星にも四季が存在します。
火星の地下に広大な内部海が存在する可能性があります。
水は人類にとって欠かせない存在なので、火星に大量の水があれば飲料水として利用ができる他、栽培や家畜の飼育にも利用できます。
さらに、近年の研究で火星には地球の生命にとって必要な元素が豊富に存在する事も明らかになりました。
火星は人類にとって都合が良いポイントがいくつもあるのです。
NASAも「地球から4000万マイル離れた火星に人類の第2の故郷が見出されることを期待している」という声明を発表しているほど。
火星移住のデメリット
火星の大気圧は0.7%しかなく、地球と比べて大気がほとんどありません。
ここまで大気が少ないと火星の地表は真空同然であり、人間は宇宙服なしでは1分も生存できないと考えられています。
太陽から距離も離れているので、平均気温が−63℃とかなり寒冷な環境です。
大気の少なさ、気温の関係で、火星内における人間の居住地は建物内に限られてしまうのです
また、重力が地球の3分の1ほどしかなく、低重力における健康面の問題が指摘されています。
幻の「マーズワン計画」
実は、人類が火星に移住する計画が存在したのです。
これは、マーズワン計画と言われアメリカのNASAがオランダの非営利団体「マーズワン」と提携し、火星への移住希望者を募集しました。
早ければ2031年には先陣をきって4人が人類初となる火星に移住する計画でしたが、資金の確保が困難になり2019年の1月にマーズワン計画は破綻してしまいました。
月
火星に次いで人類の移住先候補に上がる天体が「月」です。
地球から一番近い天体ですよね。
月移住のメリット
月移住の最大のメリットは「地球から近い」事です。
地球からの距離の近さは物資の運搬の時間とコスト削減につながるので、短時間で居住地の建設が可能なのです。
また、不測の事態が起きても地球から距離が近ければ、短時間で地球に帰る事もできる点も魅力の1つ。
以上の点から、月への植民計画は火星以上に期待が寄せられていたのです。
「寄せられていた」って事は、今は違うんですね?
月移住のデメリット
月は水も空気もない環境である他、人類が生きて行く上で必要な元素も極めて少ない事が明らかになっています。
そうなると、人類が生きていくために必要な物資は全て地球から輸送しないといけない事になってしまいます。
また、重力も地球の6分の1しかないので、低重力による健康面の心配もあります。
正直、月は「地球から近い」以外にメリットがほとんどないので、移住よりも基地建設に向いている天体かもしれません。
水星
意外かもしれませんが、水星も人類の移住先候補の天体になっています。
水星ってかなり過酷な環境のイメージがありますけど?
水星移住のメリット
水星が移住最大のメリットは、太陽から距離が近いので膨大な太陽エネルギーが得られる事です。
もし、水星に特殊なソーラー発電の設備を作り出す事ができれば、地球のソーラー発電と比べ物にならないほどの発電量が期待できるのです。
また、彗星の地下には貴重な鉱物が大量に存在する可能性があるので、鉱業的な意味でも期待が寄せられています。
水星移住のデメリット
水星は昼間が400℃以上夜は−180℃と、太陽系の岩石惑星の中では非常に過酷な環境です。
もし、水星に居住地を作るならば、極地域限定になってしまう他、環境に耐えられる様に、居住地は頑丈な作りしないといけません。
水星は移住と言うより、資源獲得のための基地建設の場になるかもしれませんね。
金星
金星移住のメリット
金星と地球は重力が近く、低重力における身体への負担がほとんど無いと考えられています。
さらに、月に次いで地球から距離の近い天体なので、資材や人材の輸送の負担も少なくなります。
地表の温度は460℃、大気圧は地球の90倍と過酷ですが、高度50㎞だと温度が0~50℃と人類に適した環境になっています。
金星の主成分である二酸化炭素は空気よりも重いので、フローリングシティと呼ばれるドーム状の空中浮遊都市を建設する構想が考えられています。
金星移住のデメリット
金星の上空は鉄や岩石も溶かしてしまう猛毒の硫酸の雨が降っています。
さらに、上空はスーパーローテーションと言われる暴風が吹いているので、硫酸と暴風から守るために超頑丈な居住地を作る必要があります。
小惑星
太陽系内では小惑星への移民も考えられています。
小惑星ってすごく小さいですけど、人類が移民なんてできるのでしょうか?
小惑星移住のメリット
小惑星は現在30万個以上発見されていて、中には鉄や炭素、水(氷)など人類にとって欠かせない成分を含んでいる小惑星もあります。
1つの小惑星の資源が少なくても、複数の小惑星から資源を集めれば、多くの人が長年暮らしていける資源が集まるとされています。
小さな小惑星の場合、面積の関係で数十人程度しか移住できませんが、直径は945 kmのケレスであれば数多くの人を移住させる事が可能です。
小惑星移住のデメリット
小さな小惑星は低質量が故に重力がとても小さく、低重力による健康面の心配があります。
また、小惑星同士、他の惑星に衝突する心配があり、小惑星への移民は非常に危険との意見もあります。
地球外の惑星に移住をする目的
なぜ宇宙移民が計画されているのでしょうか?
それは、人類が深刻な問題に直面しているからです。
人口増加問題
全世界の人口は2023年で79億人
2030年には85億人・2050年には97億人・2100年には109億人に増加していくと考えられています。
人口が増えればその分居住地も必要になりますが、地球の面積は変化しないので将来的な居住地の確保が問題になっています。
食糧問題
人口が増えれば食料消費も増加し、農地確保の問題もでてきます。
現在、地球ではこれ以上の農地確保は限界と言われており、食糧を調達する上での農地の確保が大きな課題になっているのです。
エネルギー問題
人類は石炭、石油、ガス、核燃料などのエネルギー資源に頼っていますが、資源はいつか枯渇します。
現代と変わらない量の資源を発掘して使用し続けていくと
- 石炭は118年ほど
- 石油とガスは50年前後
- ウラン(核燃料)は100年ほど
↑でエネルギー資源は使い切ってしまうと考えられています。
え!思った以上に早かった💦
先述のように、人口もどんどん増えていくので、エネルギー資源の消費量も増大していくと考えられています。
もはや、地球上のエネルギー資源だけでは足りなくなってきているのが現状。
そうなると、宇宙にある資源に目を向ける必要があり、宇宙で資源を採掘するには宇宙移民が必要不可欠なのです。
まとめ
宇宙移民と聞くと夢のある話に感じますが、実態は「人口増加問題」「食糧問題」「エネルギー問題」の解決策とも言えるのです。
もちろん、宇宙にある資源を活用できるのかどうか全く分かっていませんが、いずれにせよ「地球上では限界」になっている事が色々あります。
地球だけでは限界、ではどうすれば良いのか?
「地球だけで賄いきれない問題は、宇宙で解決する必要がある」と言う事になるです。
なるほど、でも宇宙に移民なんてできるのでしょうか?その前に人類が滅んでしまう事もありそう…
果たして人類は、地球外の惑星&衛星に移住できるのか?その前に滅亡するのか?それは未来だけが知る事実です。
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