太陽系以外の恒星系に存在する惑星のことを、太陽系外惑星(系外惑星)と呼びます。
現在、太陽系外惑星は5,000〜7,000個以上も発見されていますが、その記念すべき第一号をご存知でしょうか?
人類が初めて発見した太陽系外惑星の名は「ペガスス座51番星b」
ペガスス座51番星bはどんな惑星で、どんな特徴があるのか?

今回は、太陽系外惑星「ペガスス座51番星b」の特徴を詳しく解説します。
ペガスス座51番星bとは?


ペガスス座51番星bは、主星「ペガスス座51番星」の周りを回る惑星です。
地球から、約50光年離れた位置に存在します。
(1光年=約9兆5,000億km)



硬い表面がなく、ガスで構成されたガス惑星(木星型)だと考えられています。
ホットジェピターの1つ


木星と同じくガスで構成されていて、表面が高温になっている惑星をホットジェピター(暑い木星)と呼びます。
ペガスス座51番星bも、主星(恒星)の近くを公転しているので、表面が熱され超高温になっています。
発見されている多くのホットジェピターは、主星(恒星)から数百万〜数千万kmしか離れていません。
(木星と太陽までの距離は約7億7,830万km)



ペガスス座51番星bはホットジェピター代表格と言えます。



ペガスス座51番星bは、どれぐらいホット(暑い)なのでしょうか?
表面温度
平均温度 | |
ペガスス座51番星b | 平均 1,000℃ |
木星 | 平均 −108℃ |
地球 | 平均 15℃ |



ペガスス座51番星bの表面温度は約1,000℃と言われます。



1,000℃!ものすごく暑いですね。
大きさ&質量
直径 | 質量 | |
ペガスス座51番星b | 271,670 km | 木星の半分ほど |
木星 | 139,820 km | 1.898 × 10^27 kg |
地球 | 12,742 km | 5.9742 × 1024 kg |



質量は木星の半分ぐらいなのに、直径は木星の倍あるんですね?



そうなんです。これは、熱で惑星が膨張しているため、直径も大きくなっているのです。



熱で膨張って、ペガスス座51番星bの温度はどれぐらいなんですか?
公転距離&公転周期
公転距離 | 公転周期 | |
ペガスス座51番星b | 約750万 km | 約102時間 |
木星 | 約7億7800万 km | 約12年 |
地球 | 約1億4960万 km | 365日 |



太陽に一番近い水星ですら約5791万km離れているので、いかに主星近くを公転しているかが分かります。



公転軌道が短いから、公転周期も短いですね。
主星の特徴
ペガスス座51番星 | 太陽 | |
表面温度 | 約5,500℃ | 約6,000℃ |
直径 | 約172万1,000 km | 約139万2,000 km |
質量 | 太陽の1.04倍 | 1 |
光度 | 太陽の1.3倍 | 1 |



主星のペガスス座51番星って太陽に似ていませんか?



太陽と同じG型主系列星に分類されるので「ペガスス座51番星」と「太陽」は兄弟のような関係だと思っています。
ペガスス座51番星bの発見方法





ここでは「ペガスス座51番星b」の発見された経緯をご紹介します。
太陽系外惑星の観測の難しさ
銀河系だけでも2000〜4000個もの恒星が存在すると言われ、太陽系外惑星も数多く存在すると考えられていました。
しかし、どんな巨大で高性能な望遠鏡を使っても、太陽系外惑星の発見はできませんでした。
これは、惑星自体が暗すぎる上に、恒星の光が邪魔して、直接観測することがほぼ不可能だったからです。
そのため人類は、紀元前から数多くの恒星が発見しているのに、太陽系外惑星だけは発見できない状態でした。



20世紀を終えようとしていた頃「ドップラー法」と呼ばれる、画期的な観測方法が誕生します。
ドップラー法とは
主星(恒星)が惑星の重力の影響を受けると、わずかに揺れ動くことが分かっています。
この、主星が揺れ動いた時の数値を割り出して、惑星の公転周期や恒星までの距離を調べる観測を「ドップラー法」と呼びます。
ドップラー法は、主星近くを公転する大きな惑星ほど観測しやすい傾向があります。
ペガスス座51番星bは主星から公転距離が近く、直径&質量も大きいので、ドップラー法による観測が容易な惑星だったのです。



そして、1995年10月6日、ドップラー法によって初めて太陽系外惑星が発見され「ペガスス座51番星b」と名付けられました。



今まで不可能だった太陽系外惑星の観測を初めて成功させた、歴史的瞬間だったのです。
ペガスス座51番星bは「危険」なのか?


↑検索順位であったので軽く解説します。



結論、ペガスス座51番星bは危険な惑星ではないと思っています。
表面温度1000度以上もあると「危険」と感じてしまいますが、これは人間から見たイメージでしかありません。
広い宇宙では地球と異なる環境が沢山存在するので「地球と環境が異なる=危険」と決めつけるのは、やり過ぎ感があるのです。
もちろんこれは執筆者の意見になりますが
まとめ



あまり知られてないけど「ペガスス座51番星b」って、歴史的発見だったんですね!



そうなんです!記念すべき太陽系外惑星の第1号なので、ぜひ「ペガスス座51番星b」を覚えておいて下さい。


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