夜空に輝く「彗星」
今でこそ天体マニアを魅了する存在ですが
その昔、彗星の出現は「嫌な事が起きる前触れ」として、人々から恐れられていました。
一体なぜか?
「彗星」の正体とは何か?
昔は嫌われ者、今は人気者の天体。
今回は「彗星」の特徴を詳しく解説します。
彗星ってどんな天体?簡単に解説
彗星とは
- 個体の水(氷)が主成分
- ガスorチリの尾(コマ)がある
- 大きさは数十m〜数十km
- 不規則な形をしている
に当てはまる天体が小惑星だと思って下さい。
本当はもっと細かな定義がありますが、難しくなるので割愛します。
大きさ
直径 | |
ハレー彗星 | 約11 km |
ホームズ彗星 | 約3.4 km |
コホーテク彗星 | 約4.2 km |
ヘール・ボップ彗星 | 約60 km |
彗星の大きさは数十m~数十kmほどである場合が多いです。
構造&成分
彗星は約8割が個体の水(氷)で、その他、二酸化炭素、一酸化炭素で構成されている場合が多いです。
完全な氷でない事から、彗星は「汚れた雪だるま」とも呼ばれます。
尾(コマ)の正体
彗星の尾って何でできているんですか?
彗星の尾は「コマ」と呼ばれ、成分と見え方によって種類があります。
ガスの尾(コマ)
1つ目はガスで形成されたコマです。
彗星が太陽光で昇華するとガス(気体)を放出し、尾(コマ)を形成します。
ガスで構成されたコマは、イオン(プラズマ)のコマとも呼ばれます。
チリの尾(コマ)
2つ目はチリで形成されたコマです。
彗星が太陽風を受けるとチリを放出し、尾(コマ)を形成します。
チリで形成されたコマは、ダストのコマとも呼ばれます。
「気体」と「個体」2種類の尾(コマ)があるんですね。
尾(コマ)は太陽光を受けた反対側に放出する
彗星の尾は、太陽風&太陽光の圧力によって形成されるので、太陽の反対側に伸びています。
そのため、進行方向の逆側に伸びている訳ではないのです。
軌道&公転周期
彗星には「周期彗星」と「非周期彗星」の2種類が存在します。
周期彗星
「周期彗星」は太陽の周りを一定の期間で周期(公転)する彗星を指します。
距離によって地球から観測できるので、ハレー彗星の様に生前で二度見れる彗星も存在します。
非周期彗星
「非周期彗星」は太陽に接近するけど、太陽の周りを公転していない彗星を指します。
地球で観測できるのは一度限りである場合が多いです。
(次回、地球に接近するにしても数万年後)
彗星はどこから来る?
彗星の起源は「エッジワース・カイパーベルト」か「オールトの雲」と考えられています。
エッジワース・カイパーベルト
エッジワース・カイパーベルトは、太陽から50au(70億 km)離れたところにある、小天体が集中するゾーンの事です。
このエリアから来る彗星は軌道が安定していて、公転周期が200年未満の「短周期彗星」になると考えられています。
オールトの雲
オールトの雲は、太陽から1万au (1兆5千万km)離れてたところにある、小天体が集中するゾーンの事です。
このエリアから来る彗星は軌道が不安定で、公転周期が200年以上の「長周期彗星」になると考えられています。
昔の人は彗星を恐れていた?
彗星は、その神秘的なその姿、めったに見れない珍しさもあって、天文マニアはもちろん、一般の人をも魅了しています。
しかし、昔の人は「彗星=嫌な事が起きる前触れ」と考えていて、彗星の出現を恐れていたのです。
実際、彗星が姿を現すと災難をもたらす、との記述が各地で発見されています。
「彗星=恐ろしい存在」と言った考え方は、全世界で共通していたのです。
なぜ、昔の人は彗星を恐れていたのですか?時代関係なく綺麗に見えそうですけど?
おそらく、何もないところに突如現れて、ゆっくり消えて行く姿が不気味に見えた?のではないかと考えられています。
彗星に似た天体との違い
ここでは、彗星に似ている天体との違いを解説します。
流星(流れ星)との違い
写真で見ると流星(流れ星)によく似ていますが、彗星と流星は全く異なります。
流星は数mm〜数cm程度の小天体が地球に落下した際、一時的に見える天文現象の1つです。
どこで発生するか分からず、すぐ消えてしまうので、固有の名称も無く、天体として区分されていません。
小惑星との違い
- 彗星は尾(コマ)がある
- 小惑星は尾(コマ)がない
↑実はこれだけの違い。
小惑星が太陽に近づくと彗星になる?
太陽から距離が離れた位置に氷を主成分とした小惑星が存在すると、それは小惑星と言う事になります。
しかし、その小惑星が太陽に近づくと、太陽光or太陽風の影響で尾(コマ)を形成し、彗星になるケースもあるのです。
太陽からの距離で、天体の種類が変わってしまうんですね?
そうなんです。以上の事から「彗星」と「小惑星」の境界線は曖昧なのです。
準惑星との違い
準惑星の直径は数百km〜2,000km以上あるので、彗星と規模が異なります。
しかし、冥王星を詳しく調べた結果、構造&成分が彗星によく似ているとの研究結果が出ました。
つまり、大きくてある程度球体になっている天体が「準惑星」
小さくて不規則な形をしている天体が「彗星」と言った捉え方もできるのです。
有名な彗星の一覧
ここでは、有名な彗星をいつくかご紹介します。
ハレー彗星
ハレー彗星は地球から肉眼で観測できる彗星の1つです。
約75年の周期で地球に接近を繰り返しているため、紀元前からハレー彗星の存在は知られていました。
次回、ハレー彗星を観測できるのは2061年の夏と言われます。
だいぶ先ですけど、見れそうですね!
シューメーカー・レヴィ第9彗星
こちらの彗星は1994年に木星に衝突し、直径12,000kmもの衝突痕を残しました。
シューメーカー・レヴィ第9彗星は、木星に衝突する前に起動や速度が計算されていて、木星への衝突時期や場所の予想をほぼ的中させる事ができました。
この事例によって、地球に接近する彗星&小惑星の衝突時期を割り出す事が可能になったのです。
ヘール・ボップ彗星
1997年に出現したヘール・ボップ彗星は「大彗星」と呼ばれるほど明るく輝きました。
彗星の中ではサイズが大きく、直径約60kmもあります。
まとめ
彗星って色んな特徴があって面白かったです。
彗星はまだ謎の多い天体なので、今後の調査にも期待しましょう。
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